2017年2月9日木曜日

ただいま〜コロンビアピアカウンセリング



こんにちは。なんと見直してみると去年の11月から放ってありましたね。このブログ。ちょうど、11月に初めにペレスに到着してモルフォに着いた時にConapdisのイサベル代表が来所していて、自立法の実施に向けての話し合いをしていたのでした。

その後、11月18日からの国際自立生活セミナーの準備で目の回るような日々が始まり、日本からのメンバーの到着、アメリカからの招待客の到着、モルフォでのセミナー、またコロンビア、ボリビア、グァテマラからのメンバーの到着とアテンド、そして国際セミナー当日。それで終わらず再度ペレスに帰って、ボリビアとコロンビアのメンバーに対して研修をやって、メインストリームのメンバーと会議とぎっしりのスケジュールでした。

行事をすべて終え、ホッとしてほんとうはこの後ボリビアに行ってタリハでの4回目の障害者全国集会に参加するつもりでしたが、うまく飛行機の席を確保できず、諦めてちょうど友人が遊びに来ていたメキシコに久しぶりの旅行に行ったのでした。

ちょうど出かける頃にルイスが入院したという情報が入っていたのですが、そのうちよくなって退院して来るだろうと思っていたのが、Whatsappのモルフォのグループから入るメッセージからは反対にどんどん状態がよくなくなっていく様子が伝わってきて、メキシコから帰りサンホセに到着したときにカルロスより明日手術をする予定だという連絡、そして日付が変わった深夜2時頃にはとうとう亡くなったという知らせを受けたのでした。

朝起きてそのままバスでペレスに帰ったら、事務所はお通夜の場所になっているし、翌日は教会でのミサ。そのままバスで移動して埋葬。翌日はみんなで事務所に出てきて片付け。そのまた翌日には今後のことを話し合う緊急の会議を持ってモルフォのメンバーはそれぞれクリスマスを過ごすため実家へと帰って行きました。

ぼくはまだプロジェクトの精算の仕事を残していたので、2、3日残って誰もいなくなった異常に静かな事務所で一人残って領収書の整理。日本に帰国したのは年末ぎりぎりの28日でした。



モルフォはすでに来年度からまた5年つづくプロジェクトの第2フェーズに向けて動き始めていますが、この間のブログの空白期間は改めてルイスのことも含めて振り返って書きたいと思います。取り急ぎ今回到着後のことを報告しておこうと思います。




さて、前置きが長かったですが、今回は2月4日にコスタリカ到着、翌5日にペレスセレドンに到着、そのまた翌日6日月曜日から出勤しています。この日の午後にはトップの写真にあるようにウェンディとえりエセルがコロンビアでのJICAプロジェクトから依頼があったピアカウンセリングの講座の講師として出発するので、午前中にスタッフ会議を開いて、今後の日程、15日から来るメインストリーム協会メンバーとの会議の日程の確認、第2フェーズを開始するにあたっての手続きの確認、第2フェーズに行う活動の確認などを行いました。




さて、ウェンディたちはこの日午後サンホセに向けて出発。翌日コロンビアの首都ボゴタに到着JICAで打ち合わせ。昨日最初の研修を行うメデジンに移動。今日からいよいよ本番のピアカウンセリングの講座が始まっています。なんだかぼくもドキドキしてきます。上のビデオは地元のカナル14がコロンビア行きを取材してくれたものです。

このモルフォというプロジェクトは、JICAのプロジェクトそのものにはコスタリカ外に自立生活運動を拡めるという目的は入っていませんが、開始当初からここを通じてラテンアメリカ全体に運動を拡めたいというメンバー全員が思っていて、それは隠れた目的として持っていました。

そんなことを考えることがおかしいなっていうくらいプロジェクトが低迷した時期もありましたが、昨年念願の自立法も成立させたモルフォメンバーの自信、スカイプやSNSを使った交流はラテンアメリカの障害当事者間ではここ数年どんどん進んで行っていたので、これはもう後戻りできない実態として中南米でのモルフォの存在感というものが確立して行きました。


今回コロンビアのプロジェクトでのモルフォのメンバーが呼ばれた理由のとして、JICAの障害者支援の中で障害を持った当事者が当事者を支援する一つの形として、ピアカウンセリングが重要なツールとして考えられているという流れがあります。ざっと見渡してみて、南アフリカでの草の根プロジェクトでの当事者サポートグループの形成、ヨルダンのシリア難民支援でのあるる安原さんの活躍、パキスタンで実施中の草の根プロジェクトからは現在アリさんが来日中で、神戸のリングリングが中心になってアリさんカウンセラーとして一人前にして養成できるようにプログラム実施中です。もっと短期の専門家派遣を入れるとさらに様々な国々で日本のピアカウンセラーが活躍しています。

その中でもコスタリカにピアカウンセリングが伝わったのは比較的早かったのではないかと思います。最初にコスタリカで講座が持たれたのは2011年2月リングリングの中尾さんとあるるの安原さんが訪問して長期講座を行ったのが最初でした。2008年から13年までつづいた日本での自立生活研修でも毎年ピアカウンセリングが組み込まれていましたし、モルフォプロジェクトの初年度にはスサーナとジゼルがリーダー研修のために日本に行きました。

このように現在スペイン語を使ってちゃんと講座を開催できるのはモルフォのメンバーだけで、ちょうどエンパワメントのためにピアカウンセリング講座を開催したいと考えていたコロンビアのプロジェクトから声がかかったというのが今回の渡航までの経緯になります。

本来なら、日本とコロンビアの間で実施されているプロジェクトであるので、この場合日本からピアカウンセリングの専門家が訪問して講座を開催し、技術の移転をするというのが筋であったであろうと思いますが、講座の参加者の理解力に問題がある人もいて、通訳を挟むより同じ言葉でやった方がいいだろうというプロジェクト専門家の方の判断で、モルフォに依頼しようという判断になったようでした。

ラテンアメリカではどの国も、貧富の差が激しく教育レベルの差も激しく、障害者はとりわけそのような状態が改善されないまま放置されていることが多く、それはまたそのまま当事者の自己肯定感の低さに直結しているので、どこの国でもまず障害者はエンパワメントして、自信を回復してからでないと自立生活運動は難しいという話を聞きます。ぼくもモルフォが今後コロンビアだけにとどまらずそれ以外のスペイン語圏にも出かけて行ってピアカウンセリングを行えるような方法を探っているところです。

メデジンでのピアカウセリング講座初日自己紹介の様子です



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