さて、今朝「コロンビア出張編(2)」を書いてアップした後、午後からアミーゴス協会という団体に奥平さんがここメデジンでリーダー候補として目を付けているヘルマンという男の人に会いに行ってきました。
奥平さんは常々コロンビアで障害者運動するのはむつかしいじゃないかと仰っていたので、あまり期待せずに行ったのですが、いい意味で裏切られた結果になりました。ヘルマンは現在37歳、受傷して20年の脊椎損傷です。アミーゴス協会は障害者の当事者団体ではなく、健常者が障害者の支援のために設立した団体ですが、リハビリも提供するメデジンでは一番大きな障害者関係の団体です。ヘルマンはここであるプロジェクトに関わっている間雇用されるような形で所属しているらしいのですが、基本はフリーランスで障害者の権利やアクセスの問題について講義をしたりしているとのことでした。
奥平さんはすでに何回か会っていい感触を持っているようで、今回の訪問は来月リーダー育成のためのセミナーをするので、ヘルマンを含め何人か集めてセミナーに連れてきてほしいと依頼をすることでした。合計10名ほどのセミナーでヘルマンには5人ほど集めてほしいと依頼をしました。この中から、日本に送る障害当事者を選ぶことになるということでした。
2時間ほどの面会で、これだけでどういう人物かを判断するのはできないのですが、ぼくの第一印象もとてもいいものでした。柔らかい話し方をする人で、人として素直な感じがしました。すでに活動家としてコロンビア全体にネットワークを持っていることや、メデジンでも自立法に類した法律が地方レベルで議論されているらしく、それを障害者の立場から意見を挟むネットワークにも所属していることなど、話しからすでに障害者運動が彼の日常になっていることがよく覗えました。
奥平さんの側からは、次回のセミナーの参加依頼と、その後それを元に作ったグループでもっと大きいセミナーを共同で開催したい。将来的にはそのファシリテーターを任せることも考えたい。そしてそのグループが自立生活センターを作るところまで行ってくれれば嬉しいつ伝えました。
コロンビアで障害者運動がむつかしいと言われる理由の一つには、みんながリーダーになりたがって、それに従う人がおらず結局みんな一匹狼で活動しているからということがあります。ヘルマンもそうなのですが、こちら側からは、組織の運営のサポートもできるので、ぜひ組織だって交渉できるような団体を作ることをやってほしいなどと伝えました。
今週末からはブカラマンガという町に行き、別な障害当事者にインタビューをしにいくことになっているのですが、ヘンリーというその男性ともすでに一緒に活動しており、一番やりやすい仲間であると言っていました。
お伝えしたようにボゴタにすでにグループができつつあり、奥平さんのプロジェクトを中心にメデジンとブカラマンガに団体ができると、コロンビアの自立生活運動は一気に進む可能性が見えてきました。何だかそういうことを想像しながら奥平さんの通訳をしていると、それだけでわくわくして嬉しい気持ちになって来ました。めちゃくちゃ楽しい一時でした。
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