2014年8月14日木曜日

ボリビア出張編(4)ABILISプロジェクトのことなど


日曜日にスークレに着いてから比較的天気がよかったのですが、今日は打って変わって真冬のような寒さになりました。昨日の夜は遅くまで飲んでいて、今日はヌエバエスペランサでは朝からピアカンセリングをやっているというので、ぼくはお昼からゆっくり行くことに。1時半くらいに行ってみるとまだセッションの最中でした。きのうフェリーサからは12時くらいに来てって言われていたんですけど、よかったゆっくりしておいて。

ピアカンセリングには2人ほどメンバー以外の人が来ていて、フェリーサに言わせるともっと来るはずだったのに、やはりなかなか人の集まりが悪いのが問題の一つだと言っていました。ピアカウンセリングをやっていた午前中は久しぶりにメンバー全員集まっていたのですが、終了後すぐにアルミンダが大学に、3時半頃に今度はシルビアが大学へ。入れ替わってアルミンダが帰ってくるという調子で、マルセロも働いているしなかなか全員が揃わないのが今抱えている問題の一つです。

外はこんな感じ。雨もときおり。















先日も書いたとおり、今週の金曜日にAbilisというフィンランドの団体からプロジェクトのための最初の送金があります。いよいよ始まるというので、色々決めておかないといけないことがあり、アルミンダが帰って来た時点でそのための会議となりました。フェリーサ、アルミンダ、クラウディア、マルセロ、この4人が執行部なので、幹部会議といった感じでした。

Ablilisは自立生活を支援するのが好きということらしく、そういえばネパールのクリシュナのところも支援を受けていました。ヌエバエスペランサは数ヶ月前にもうすでにプロジェクトの認可は受けていたのですが、法人格を持っていなかったため送金を受け取る銀行口座を開けないでいました。それがやっと取れめでたく初送金となったわけです。

このプロジェクトも自立生活に特化したもので、介助者養成研修、ピアカウンセリング、各種啓発のセミナー、バリアフリーチェックなどがメニューに入っています。目標の一つに2人を自立させるというのも入っています。期間は10ヶ月で毎月1000ドルほどのお金が入ってきます。

ピアカンの後ご飯を食べてまったり

草の根と同じようにプロジェクトにはマネージャー(ここではコーディネーターと呼んでいます)を置かないといけないのですが、これには先に挙げた執行部の人間はなることができない規則になっています。なので、最初はシルビアがマネージャーをやる予定だったのですが、調子が悪くて来れない時期がつづいたらしく、任せられないような状況になり本人も了承の上他の人を探すことになりました。結果書類上はプリマがマネージャーということにし、実際はみんなでカバーしながらやることになったそうです。プリマは3月にヌエバエスペランサに加わったばかりで、しかも文字が読めないので、最近学校に通い出して読み書きを習い始めました。とうていマネージャーをやるような資質ではないのですが、他に選択肢がないということでこういう結果になりました。

クラウディアが会計で、マネージャーの仕事はフェリーサ、アルミンダ、プリマが分担。シルビアは介助者のコーディネーターをすることになり、みんながそれぞれ月600ボリビアーノ(86ドルくらい)を受け取ることが申し合わされました。JICAの草の根とは規模もやり方もまったく違うのですが、海外支援のプロジェクトということで共通する点も多く、ヒントをもらえたり逆にアドバイスできたりとなかなか興味深い時間でした。この事務所は午後6時までなんですが、なんだかんだで8時過ぎまでやってましたね。















たぶん、ふだんは言いにくいこともぼくがいることで、何となく言えたようなこともあったんじゃないかと思います。今この事務所で一番の問題は、アルミンダ、シルビアという中心メンバーが大学に通っていてなかなか関わり切れていないということです。アルミンダはとくに、日本に行って研修を受けて本来ならもう代表を引き継いで、フェリーサはラパスでの活動に専念しているはずでした。

一方で、矛盾するようですが、メンバーがみんな教育を受けていないことが問題だとフェリーサは考えていて、彼女らが大学に行くこと自体には賛成しています。ちなみに、アルミンダはソーシャルワーク、シルビアは法律を勉強しています。クラウディアも中学からやり直し、プリマも文字の読み書きから始めています。

フェリーサは、やはりなかなかみんなちゃんと事務所に来ないのをストレスに感じていて、自立生活運動は楽しんでやらないといけないと日本で習ったのに逆の結果になってるときがあると言っていました。昨夜飲んでいるときは、マルセロがもっと直接的に、勉強が将来役に立つのは分かるけど、日本まで行ってちゃんと準備したんだから、君が必要なのは今なんだよって言っていました。

そのマルセロも、「ぼくがフェリーサと知り合ったのは日本行く前だったんだ。そのときは障害者ツーリズムっていうのを始めていて、どんどん稼ぐような女だったのに、何これ?おれたち社会保険も入ってないし、でも来ただろ?ここに、彼女が嫌なことを無理にやってるのをみたくないからだよ」と。会議が終わった後も、外は寒く暗くなっていく中みんなが自分の過去の辛い話や、逆にこれからの夢などを話しながら過ごす時間がぼくにはほんとに幸せで、何とも言えない幸福感に浸っていました。今は介助者もいないのでトイレに上がるとか、ドアを開けに行くとか、タクシーに乗せるとか、学校に送っていくとかぜんぶぼくの仕事になっていたのですが、この原自立生活センター的な生活がほんとに楽しかったです。

今日はこれからポトシに行き、ガリの事務所を訪問します。週末にはラパスに移動。日曜はエル・アルトという空港がある町の団体が自立生活に興味があるというので、フェリーサ、アルミンダと一緒に訪問。けんかっ早いメンバーが多いというので面白そうです。月曜日はリッツィの団体メンバーと会議、火曜はフェリーサ、ガリ、ヘラルド、アルミンダとJICAボリビアに行ってきます。


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